ボランテイア 活動報告2
- 2014/08/03
- 14:27
昨日は、芦生有害鳥獣対策協議会主催、京都府南丹振興局森づくり推進室事務局 のボランテイアに参加。
ボランテイアの発端は、芦生は鳥獣保護区であるが、鹿の採食の影響が深刻化したため、地元の猟師さんに一定期間狩猟をしてもらい(今年2014年の捕獲40頭だそうです)、鹿の頭数を減らすという目的で、地元、大学、京都府が連携して、協議会を立ち上げたそうです。
その際、そのシカの採食の影響がどれほど大きいかを調べるために、鹿柵を設置し観察、私はそこに年3回、参加しています。
1時間ほど早めに到着しますと、地元の方々にお会いでき、村で、また、個人で取り組んでおられる話を聞かせて頂けました。また、ブナの木峠でヤドリギの研究の為に採取にこられた研究生の車に出逢い、そのうちのお一人がよく知る方。鹿頭数調査でお逢いした学生さん。今日は、研究のお手伝いだそうで、生き生きとお話になられ、こちらも頑張らねばと元気を頂きました。

2014年8月 調査地1 柵外、鹿が食べないイワヒメワラビ畑。柵内、多様な植生が回復。

左:2013年8月 右:2012年8月
【ブナ稚樹の枯死率、被覆度、多様性の調査】

2012年9月 調査地NO2 柵内 除去区2、3、4、5 イタドリやクマイチゴが生えてきた~!と喜んでいた。

2013年8月 調査地NO2 柵内 除去区2、3、4、5 イタドリやクマイチゴは、腰くらいの高さにまでなっていた。
そして、今回・・・

2014年8月 調査地NO2 柵内 除去区2、3、4、5 イタドリやクマイチゴは、身長を超える高さになっている!この下には陰樹のブナの稚樹もあり、ちゃんと生長していました。
6人ずつ4班に分かれ、さらに、3人が1セット(1人が記録、2人が調査)で、作業開始。
3年目になると、すっかり皆さん顔見知りで、気を遣うこともなく、テキパキと作業が進みとても心地よい。
京都府の方から「もう12:30回っているので、昼食とってくださいー」と仰られてようやく手を留めます。
昼食時も、目が足元の植物に行き これは、イワガラミ、ツルアジサイ、これはオオチドメではなく、ミヤマチドメだ・・・
落ちている葉や実を拾っては、カマツカだ、ヤマボウシだ、などなど、食事をするのも忘れて植物談義。
そして、今回も学生さんが3人も参加してくださいました。
フィールドで、年齢や立場に関係なく、皆で実験地を作り、経過をみたり、調べたり、
対等な立場で、作業を通じて、共に天然林の保護保全について考える
このような活動は他には無いそうで、珍しく貴重であるとの T先生のお言葉で締めくくられました。

長治谷前の研究地の見学。
私たちの足元は鹿の食べない「イ」の草原。画面右の鹿柵内は草本類が人の身長を超える高さにまで生長。シカの影響がこんなにある。
少しずつ、自然に興味の有るかたが集まり、森の回復につい考えて下さる方が増えるといいな。
【今回の作業内容】
・ブナ稚樹(2012年実生から発芽)の枯死率調査
・被覆度と優先種の調査
・多様性の調査
・長治谷前の研究地の見学
【いろいろ知りたい方へ 補足】
※鹿防護ネットについて
芦生は雪が深く2mちかくもなり、その雪圧で破損するのを防ぐため、根雪前にネットを降し、雪融けすぐにネットをあげる(支柱の補修も含めて)ないといけないので、人手が必要で、一旦設置しますと、維持管理が大変になります。
※鹿害で裸地になった森はなぜまずい?
・雨が降れば、下草の無い森は、地上を水が流れ、その流れで腐葉土が押し流され、種子もダメになります。
・大木の根がむき出しになり、木は倒れて行きます。
・川に流れ込んだ腐葉土で、川は泥状となり、川底が浅くなり、洪水が起こりやすく、また、泥を好む水生昆虫しか住めなくなり、生物多様性が失われます。
将来で鹿が減ったとしても、植生が回復しない恐れがある、そこで、この小さな鹿柵は、観察のみならず、将来の種子バンク的な働きも担っています。
【活動歴】
1回目:2011年 8月 鹿柵防護ネット設置
2回目:2011年10月「知ろう、守ろう芦生の森」シンポジウム 1 美山文化ホール
3回目:2011年11月 鹿柵防護ネット降し作業
4回目:2012年 5月 鹿柵防護ネット上げ作業
鹿柵内に イワヒメワラビ除去区と放置区の設置・ブナの実生の数の調査
5回目:2012年 8月 鹿柵外に イワヒメワラビ除去区と放置区の設置
ブナの実生の数の調査・植生調査
(有志 2012年 9月 8月設置区、および鹿柵内の経過観察1)
(有志 2012年10月 8月設置区、および鹿柵内の経過観察2)
6回目:2012年11月 鹿柵防護ネット降し作業、プロット内のブナ稚樹の地図作成
(11/17が雨天の為、11/22へ変更)
7回目:2012年12月「知ろう、守ろう芦生の森」シンポジウム 2 京都大学構内
https://fserc.kyoto-u.ac.jp/wp/blog/archives/9584
8回目:2013年5月 鹿柵防護ネット上げ作業、ブナ稚樹の横に旗(マーカー)を立てる。
9回目:2013年8月 ブナの実生の数の調査・植生調査
10回目:2013年11月 ブナ稚樹の枯死率調査 鹿柵ネットおろし
(有志 2014年 4月29日 雪融けと同時に、鹿柵ネット上げ)
11回目:2014年6月 ブナ稚樹の枯死率調査 ウツロ谷研究地の見学
12回目:2014年8月 今回
ボランテイアの発端は、芦生は鳥獣保護区であるが、鹿の採食の影響が深刻化したため、地元の猟師さんに一定期間狩猟をしてもらい(今年2014年の捕獲40頭だそうです)、鹿の頭数を減らすという目的で、地元、大学、京都府が連携して、協議会を立ち上げたそうです。
その際、そのシカの採食の影響がどれほど大きいかを調べるために、鹿柵を設置し観察、私はそこに年3回、参加しています。
1時間ほど早めに到着しますと、地元の方々にお会いでき、村で、また、個人で取り組んでおられる話を聞かせて頂けました。また、ブナの木峠でヤドリギの研究の為に採取にこられた研究生の車に出逢い、そのうちのお一人がよく知る方。鹿頭数調査でお逢いした学生さん。今日は、研究のお手伝いだそうで、生き生きとお話になられ、こちらも頑張らねばと元気を頂きました。

2014年8月 調査地1 柵外、鹿が食べないイワヒメワラビ畑。柵内、多様な植生が回復。


左:2013年8月 右:2012年8月
【ブナ稚樹の枯死率、被覆度、多様性の調査】

2012年9月 調査地NO2 柵内 除去区2、3、4、5 イタドリやクマイチゴが生えてきた~!と喜んでいた。

2013年8月 調査地NO2 柵内 除去区2、3、4、5 イタドリやクマイチゴは、腰くらいの高さにまでなっていた。
そして、今回・・・

2014年8月 調査地NO2 柵内 除去区2、3、4、5 イタドリやクマイチゴは、身長を超える高さになっている!この下には陰樹のブナの稚樹もあり、ちゃんと生長していました。
6人ずつ4班に分かれ、さらに、3人が1セット(1人が記録、2人が調査)で、作業開始。
3年目になると、すっかり皆さん顔見知りで、気を遣うこともなく、テキパキと作業が進みとても心地よい。
京都府の方から「もう12:30回っているので、昼食とってくださいー」と仰られてようやく手を留めます。
昼食時も、目が足元の植物に行き これは、イワガラミ、ツルアジサイ、これはオオチドメではなく、ミヤマチドメだ・・・
落ちている葉や実を拾っては、カマツカだ、ヤマボウシだ、などなど、食事をするのも忘れて植物談義。
そして、今回も学生さんが3人も参加してくださいました。
フィールドで、年齢や立場に関係なく、皆で実験地を作り、経過をみたり、調べたり、
対等な立場で、作業を通じて、共に天然林の保護保全について考える
このような活動は他には無いそうで、珍しく貴重であるとの T先生のお言葉で締めくくられました。

長治谷前の研究地の見学。
私たちの足元は鹿の食べない「イ」の草原。画面右の鹿柵内は草本類が人の身長を超える高さにまで生長。シカの影響がこんなにある。
少しずつ、自然に興味の有るかたが集まり、森の回復につい考えて下さる方が増えるといいな。
【今回の作業内容】
・ブナ稚樹(2012年実生から発芽)の枯死率調査
・被覆度と優先種の調査
・多様性の調査
・長治谷前の研究地の見学
【いろいろ知りたい方へ 補足】
※鹿防護ネットについて
芦生は雪が深く2mちかくもなり、その雪圧で破損するのを防ぐため、根雪前にネットを降し、雪融けすぐにネットをあげる(支柱の補修も含めて)ないといけないので、人手が必要で、一旦設置しますと、維持管理が大変になります。
※鹿害で裸地になった森はなぜまずい?
・雨が降れば、下草の無い森は、地上を水が流れ、その流れで腐葉土が押し流され、種子もダメになります。
・大木の根がむき出しになり、木は倒れて行きます。
・川に流れ込んだ腐葉土で、川は泥状となり、川底が浅くなり、洪水が起こりやすく、また、泥を好む水生昆虫しか住めなくなり、生物多様性が失われます。
将来で鹿が減ったとしても、植生が回復しない恐れがある、そこで、この小さな鹿柵は、観察のみならず、将来の種子バンク的な働きも担っています。
【活動歴】
1回目:2011年 8月 鹿柵防護ネット設置
2回目:2011年10月「知ろう、守ろう芦生の森」シンポジウム 1 美山文化ホール
3回目:2011年11月 鹿柵防護ネット降し作業
4回目:2012年 5月 鹿柵防護ネット上げ作業
鹿柵内に イワヒメワラビ除去区と放置区の設置・ブナの実生の数の調査
5回目:2012年 8月 鹿柵外に イワヒメワラビ除去区と放置区の設置
ブナの実生の数の調査・植生調査
(有志 2012年 9月 8月設置区、および鹿柵内の経過観察1)
(有志 2012年10月 8月設置区、および鹿柵内の経過観察2)
6回目:2012年11月 鹿柵防護ネット降し作業、プロット内のブナ稚樹の地図作成
(11/17が雨天の為、11/22へ変更)
7回目:2012年12月「知ろう、守ろう芦生の森」シンポジウム 2 京都大学構内
https://fserc.kyoto-u.ac.jp/wp/blog/archives/9584
8回目:2013年5月 鹿柵防護ネット上げ作業、ブナ稚樹の横に旗(マーカー)を立てる。
9回目:2013年8月 ブナの実生の数の調査・植生調査
10回目:2013年11月 ブナ稚樹の枯死率調査 鹿柵ネットおろし
(有志 2014年 4月29日 雪融けと同時に、鹿柵ネット上げ)
11回目:2014年6月 ブナ稚樹の枯死率調査 ウツロ谷研究地の見学
12回目:2014年8月 今回